【読書感想】ゲームプランナーのドキュメント作成例<基本編>
こんにちは、Boltzです。
初めての試みではあるのですが、ゲーム制作に関する読書感想を書いていこうと思います。
ゲーム制作サークルのブログなので、
ブログではもっとゲーム制作に関することを幅広く取り上げてもいいかなと思ってやってみます。
今後続くかはわかりませんが、以前連載していたようなメイキング含め、
できるだけ色々な方面からゲーム制作に対する記事を書いていきたいですね。
※この読書感想は一部員の見解です。サークル全体の意見ではありません。
正式タイトル: ゲームプランナーのドキュメント作成例<基本編>
著者名: 安 幸村
出版年: 2018
対象読者と要点
以下のような人は、この書籍を読めば満足度が高い体験をできると思います。
・プランナーをやりたいが、ネットに落ちている仕様書の量が足りない!と悩んでいる人
・なれる!SE(ライトノベル)のようなIT企業物語が好きな人
早速ですが、この本を読んで、自分が要点だと感じた点は以下の2つです。
1. プランナーの制作する資料は、ビジョンを伝えるもの
2. 資料では、ビジョンを漏れなく伝える必要がある
プランナーの制作する資料は、ビジョンを伝えるもの
ゲームプランナーが行う作業として、企画書や仕様書の作成があるのは
ググったらわりとでてくる情報だとは思います。
ただ、この本ではそれらの企画書や仕様書をなぜ作成しなければならないかが
わかっている人は多くないのではないかという問題提起がなされています。
端的に言ってしまえば、企画書や仕様書は
プランナーの頭の中にあるビジョンを相手に伝えるために作成する資料だそうです。
ビジョンは、プランナーの頭の中にある
「ゲームやその構成要素がいかにあるべきか」という企画や仕様、その他の理想ということでしょう。
たとえば企画中のゲームがひとつあるとします。
そのゲームはRPGならRPG、アクションならアクションでも、
世に出ている他のゲームとの違いが少なくとも1つはあるゲームであるといえます。
その違いは最初プランナーの頭の中で思いついたものなのですが、
チームを組んでゲームを制作する以上、この思いつき(=ビジョン)を他の人に共有しなければいけません。
思いつき(=ビジョン)を共有するものが、プランナーの制作する資料なのです。
資料では、ビジョンを漏れなく伝える必要がある
頭の中にあることを他人にそのまま伝えるのは難易度の高いことです。
そこで、この本によれば、ビジョンを漏れなく他人に伝えるには、
「目的、理由、方法、結果」そしてそれを一言で表す「定義」が必要です。
この本の言葉を借りると、それぞれの用語は以下の通りの意味になります。
- 目的: その要素を実装する目的、狙い、意図。
- 理由: 目的で提示した内容が必要となる理由。
- 方法: 目的のために、どんな方法をとるのか。
- 結果: その要素が実装されれば、ゲームはどうなるのか。
- 定義: その要素を一言で言うと何か。
これらがプランナーのビジョンを具体化してくれるということです。
逆に言えば、これらが定まっていないことにはプランナーの思い描くビジョンも
確固たるものか怪しいのではないか……ということです。
仕様書でこれらを言い表す例えは、この本に3パターンくらい乗っています。
個人的には企画書でもこれらを言い表わせる(むしろ企画書にこそ重要)気がするので、
この間長大祭に出展したリズムゲーム「Overriding」の企画をこれらに当てはめてみようと思います。
目的: これまでゲームセンターのリズムゲームにのめり込めなかった学生向けのアーケードゲームをつくる。
理由: 市場のアーケードリズムゲームはスマートフォンゲームか高難易度のゲームセンターのものかで二極化が激しいから。
方法: リズムゲームにのめり込めなかった理由を「ノーツにアサインされている音がわかりにくい」と仮定して、それを解消するゲームシステムを提示する。
結果: リズムゲームをおもしろいと感じてもらう。他のリズムゲームにもどんどん手を出してもらう。
定義: リズムとメロディパートを別に叩く新感覚音楽ゲーム
ちょっと飛躍がみられるかもしれませんが、
自分も今後このフォーマットを使った書き方に慣れていきたいと思います!
まとめ
ということで、『ゲームプランナーのドキュメント作成例』の感想でした。
繰り返しになりますが、この本を読んで自分が要点だと感じた点は以下の2つです。
1. プランナーの制作する資料は、ビジョンを伝えるもの
2. 資料では、ビジョンを漏れなく伝える必要がある
前述したOverridingもひと段落つき、これから新たな企画を始めようと言うタイミングで
この本を読むことができ、よかったと思います。
この本に関しての満足度はかなり高めです。
Amazon Kindle Unlimited に登録すると無償で読めるので、ぜひオススメしたい1冊です。
それではまた!